| Mischievous trick by bunny mens 読む前の注意!!:司馬師が並外れた変態と化しました・・・ 右下の可愛いウサにだまされないように!! 司馬師・司馬昭・諸葛誕の並外れた馬鹿さ加減を許容できる人以外は読んじゃ駄目 その日、司馬師はとても機嫌が良かった。 陛下との謁見の後、こっそりと陛下の灰色うさぎをかまい(うさぎとしてはたまったものではなさそうだが)、そしてひっそりと何処かに姿を消し、また戻ってきたときには手に何かを持っていた。 それが何かは解らない。 だが、その手の物を見た人は一瞬ぎょっとして立ち止まり、よく見てからため息をついて、安心して立ち去っている。 それを司馬師はよく見ていた。 ・・・ふふふ・・・皆の反応は面白いな・・・ と、内心では思っていたがあくまで外面は無表情に、いつもの美しく冷たい顔で平然と周囲の様子をうかがい続ける。 その中でコイツだけは流石だと思ったのはやはり賈充。その手に握っている物を見ても、顔色一つ変えなかった。態度も変わらず。だが、それはそれで司馬師はおもしろくない。 ・・・つまんない反応だな・・・・ そして、司馬師の楽しみはやってくる。 「子元様〜、失礼しま〜す・・・って・・・・ええええええええ?!」 鍾会が間の抜けた声で入ってきて、そして手のものを見て絶叫する。 「うわー!!! 反乱だ反乱だ! 大将軍がご乱心〜〜〜〜〜!! やったー!!」 「・・・これか?」 司馬師はそこでにやりと笑うと、手に持った物を広げた。 それは・・・・ 「・・・・あれ?」 鍾会は確認すると、落ちついたのとがっかりしたのがない交ぜになった表情で司馬師を見上げた。 「・・・なんだ、あの陛下のうさぎ、やっちゃったのかと・・・・」 司馬師の手に握られていたのは、あのうさぎの毛並みに似た色つやの生地の、不思議なものだった。 見ようによっては、大きなウサギの耳、と言えばいいのか。そう、耳をもしたものだった。ついでに尻尾もある。 ご丁寧にウサギ耳は頭巾についているのだが・・・灰色の、何となくふさふさとした生地。 それを握っていたため、いままで皆がぎょっとして見て、ホンモノじゃないと確認しほっとしていた訳だ。 「士季、大声を出したな?」 「だって驚いたし・・・ちょっと嬉しかったし・・・」 「お前は驚きすぎだ。騒乱罪。・・・というわけで罰を与えよう。・・・これを身につけるんだ」 「へ?!」 鍾会はまたも間抜けな声を出す。 「・・・身につけるって?」 「この耳と尻尾を付けて今晩来い。・・・解ったな?」 「・・・はあ・・・・」 無理矢理鍾会の手にそれを握らせる。 何か言おうと思ったが、司馬師の表情が「これ以上の質問は受け付けない」となっていたためやめて、ここは大人しく言うことを聞いておくことにした。 鍾会はとりあえず寄り道をし、鏡の前でとりあえず耳と尻尾を付けてみる。 耳は頭にのせて紐でしばるようになっている。尻尾は丁寧にピンがついている。 つけた後に横向いたりうしろ向いたりしていると、廊下の向こうから鍾毓が歩いてくるのが見えた。 「・・・兄上、どうですこれ?」 「うわっ!!」 鍾毓は驚いて、持っていた物をみんな落とした。割れ物がなくて幸い。 「なんだ士季?! 変な副業でも始めたか?!」 「違いますよ。・・・子元様がこれ付けろって・・・・」 巨大なというか、人間サイズ?のウサギの耳と尻尾。鍾毓にはいろいろ理解できない。 「・・・子元殿、が?」 「ええ」 なんだかんだ言いつつ、もしかして子元殿は陛下のうさぎが大好きで仕方ないとか?・・・と、真面目な鍾毓なりの理解をしたいとは思うのだが、理解の範疇を楽に越えた。 それを何故、士季が身につけるのか。そこが問題。 「・・・お前、なんかやったのか?」 「身に覚えは片手では足りないくらい・・・かもしれない」 「・・・そうか。では大人しく言うことを聞いておけ」 鍾毓はそう言ってさっさと立ち去ろうとした。 どうも司馬家の兄弟は人の想像を軽く超えることをしたがるとか、もうそんなのはどうでもよかった。 「まって兄上」 「なんだ? なんかお前といると私は頭がおかしくなりそうなんだが?」 すると、鍾会はウサギ耳と尻尾をつけたまま、くるっと回った。そして。 「・・・可愛い?」 鍾会のその質問に、鍾毓は持っていたものを今度は全部投げつけて、思わず殴りかかるところだった。そこに陳泰が通らなければ。 「わー!稚叔殿!暴力はいけません暴力は!!!」 「許せ玄伯! もう私はこんな弟耐えられない!!!!」 「そんな、士季殿もいい加減・・・・うわあ!!」 そこで陳泰は、はじめて鍾会を見た。耳と尻尾を付けている。 これでは兄が殴ろうとするのも仕方がないとでも言われて今度こそ文字通りダブルパンチ来るか?と鍾会が身構えると、意外な言葉を呟いたのだった。 「・・・可愛い・・・かも?」 「ホント?!」 いつもの調子だと二人がかりで殴ってくるのかと思いきや、「可愛いかも」ときた。 陳泰は、不思議そうな表情をしているものの、目に敵意はない。 むしろ、そんな言葉に鍾毓の方が驚いて目が飛び出しそうな顔をしていた。 「・・・ああ、なんか・・・はまってる?」 「玄伯殿大好き!」 「いや、別に好かれようと思って言うわけではないんで、結構ですけど・・・」 すげなく言って、では、と行ってしまう。 「ほら兄上。やっぱり見る人が見れば・・・」 「玄伯殿、具合でも悪いんですよ、きっと!」 鍾毓はぷりぷりしながらこれも立ち去ってしまった。 「・・・まあいいや。夜に大将軍府か・・・なんか重労働強いられたらどうしようかな」 その晩、鍾会がその姿で大将軍府へ出かける。司馬師は一人で酒肴を前に酒を飲んでいた。 家でやれよと思ったが、言わないであげた。きっと家庭でやりにくい状況でもあるんだろう。 「子元様〜、参りましたよ〜」 間抜けな声で鍾会が入っていくと、傍にいた召使いが笑いを堪えるような顔をして、鍾会の分の食事を運んできた。 それはそうだ。ウサギの耳と尻尾をつけた鍾会。絶対におかしい。 「・・・さっさとこっち来い」 司馬師は思ったより不機嫌そうな顔をしている。 鍾会はどきどきしながら近づく。すると、司馬師は黙って杯をつきだした。 「酌!」 「は・・・はいっ・・・!」 鍾会は大人しく酒をつぐ。 「・・・・・・」 無表情で睨まれていると、生きた心地がしない。まさかこの後、何か恐ろしい刑罰でも言い渡されるのでは・・・・ そう思う鍾会は、自分が悪いことなど全然していないということは覚えていないようだ。或いは、日常にそれだけ心当たりがあるのかもしれないが。 だが、司馬師は実は内心、超ご機嫌だった。 ・・・意外と可愛いじゃないか。やってみるもんだな。 司馬師は、実は何度も「陛下のうさぎ」に接しているうちにふと思いついたのだ。うさぎの可愛さはあのかわいい尻尾と耳にあると。本当は年齢的にまだかわいげの残る曹髦にそれを付けて貰おうかとも思ったのだが、流石に陛下にはおそれおおくて頼めない。というか、そんな頼み事した瞬間に手打ちになっても文句は言えない。 それ以外で可愛いとなると、残念ながら鍾会しか思いつかなかったのだ。 いや、顔が可愛いとかではない、顔立ちはもちろん白皙の美青年?なのだけれど鍾会の、黒目がちの目と自分を恐れるこのびくびくとした態度があのうさぎと共通して可愛いかもしれないと思った、病的妄想なのである。ここにもし医師がいれば、司馬師の目の病状より脳内の病状を疑うであろう事は必至である。 司馬師の一番の問題は、自分が変態の仲間入り直前なのに気がついていないことかもしれない。 「あの・・・子元様?」 「お前も飲め」 「はあ・・・・」 鍾会は渡された杯を口に付けようとしたが、そこで司馬師がいきなりガっと腕を掴んできた。 「!!」 「飲ませてやる」 ぐいと引き寄せられ、反対の腕を細い腰に回された。 え?と思うまもなく司馬師の口が鍾会の唇に触れる。 「ん〜〜??!」 口の中に、酒の甘い香りが広がる。 暖かい感触に目を細め、されるがままに身を任せた。舌が誘うようにこちらの舌を絡め取り、強く吸われる。口に含んだ酒が唇の端から漏れ、顎まで伝わると司馬師の指がそれをくすぐるようにぬぐう。 「ん・・・・ふっ・・・」 鍾会が苦しがって離れようとするが、面白がってなかなか離さない。 「やっ・・・・」 逃げようとするが支えられている腕が思いの外強く、されるがままの体勢から逃げられることは無かった。 やがて唇を離すと、司馬師ははじめてにやりと笑った。 「・・・?」 「私とでは嫌か?」 楽しそうに聞く司馬師。 鍾会は司馬師が嫌いではない、決して。だが、突拍子も無い行動が実はものすごく怖かったりする。 「滅相もない・・・光栄です・・・」 小声で答えると、司馬師は喉の奥で笑いながら何かに考えを巡らせている。 多分、もっと悪辣なことを思いついたに違いない。嫌だという方が正しかったか。やばー・・・などと思っていると、召使いにとんでもないことを言いつけた。 「今すぐ昭を呼べ! いますぐだ」 やだなに?! 二人して何する気?!ていうか・・・なに、その後ろに隠しているの・・・・ ・・・と鍾会がそれを恐怖に感じたかは別にして。 「・・・何をしてるんですか、兄上・・・」 ウサギ耳をつけて司馬師の膝上でお酌中の鍾会を見て、司馬昭は流石に開いた口がふさがらないようだった。 董卓も真っ青の光景である。いっそ、まだ半裸の方がましだっただろう。 鍾会はにこにこしているが、既に目の焦点があっていない。かなりお疲れのようである。 「可愛いだろう? ホンモノの士季うさぎだ」 「・・・きもちわ・・・・いえ、なんでもないです。可愛いですね」 司馬昭は、とりあえずは兄に賛同しておく。鍾会がそういう意味の目配せをしてきたからだ。 「で、私の頼みなのだが・・・」 「はい?」 「・・・お前もウサギ耳と尻尾を付けろ」 そう言って、新たな耳と尻尾セットを出した。 「・・・へ?!」 「お前もこれを付けて酌をしろと言っているんだ!・・・なあ、士季? お前も見たいだろう?」 そう言って鍾会の顎を指でおさえ、自分の方を向かせる。 「・・・あ・・・あわわわ・・・・・」 鍾会は真っ青になった。これは別の方向で、本気でまずい!と。 見たいと言えば司馬昭に後でどんな目に遭わされるか解らない。 でも、司馬昭に味方をしたらもっと恐ろしい。司馬師の復讐は想像しただけで怖い。その上、いまはとんでもなく酔ってる。 究極の二択。 「・・・わ・・・私は・・・ちょっと酔いました! 酔い覚まししてきます!!」 そう叫ぶと、司馬師の膝からダッシュで逃げた。 「・・・うさぎだけに素早いダッシュだな・・・」 司馬師は言い、そして司馬昭を睨む。 「あ・・・兄上、勘弁してください・・・」 「いやだ。やれ」 司馬師は完全に目が据わっている。 その頃、耳を付けた鍾会は外で涼んで・・・というか、避難していた。 そこで捕まえた人影。 「うわー、公休殿じゃない。ちょうど良いところに! ていうかいま忙しい?」 「・・・・なんだお前、副業か? 公務員のアルバイトは禁止だぞ?」 いつも鍾会の被害にあうこと早数年?の諸葛誕がいた。うさぎ耳くらいでは驚かないあたりが流石というか。 いや、もしかして、都合良く酔ってないか? 一見そう見えないが、この機嫌の良さは泥酔? これは少々ラッキーかも・・・と鍾会は心の中でにやける。 「バイトじゃないよ」 「はあ?では何だその格好は? そんな格好で陛下に夜這いとか? やめとけよ〜?うけないぞ〜?」 「玄伯殿にはうけましたよ!・・・じゃなくて」 鍾会はウサギ耳を取る。そして彼にはい、と渡す。 「これかぶって、子元様のお酌してきてくださいよ。お膝の上で。あと、ちらっと足首見せるのも忘れないでね」 「誰がそんな事を・・・・って、そんなことしてたのか?」 呆れる諸葛誕に、鍾会はため息をつきながら続ける。 「今度、ネコミミつけてあなたにお酌しますから。なんならネコミミメイドでどうですか? だからお願いしますよ」 「ネコミミメイドなら若い娘の方がいい」 諸葛誕は至極まっとうなことを言った。これだけ聞くとどこのスケベオヤジだ!という言葉だが、鍾会のネコミミメイドを見たいという男の方が人としてどうよなのであるということを忘れてはならない。ついでに、酔っていると人間案外本音が出るものだ。 だが、鍾会も負けない。 「いま、子上様がいて、子元様にこの耳を付けることを強要されてるんだよね。・・・おもしろいもの見たくない?」 すると諸葛誕はニヤリと笑った。あの子上がそんな馬鹿なことをやらされてるのか、それは見物だ。 「ほお? そういう事か。・・・よし。俺が行く」 「やったー! じゃあ、あとよろしく!!」 何故、ここで彼が気づかなかったのか解らない。 司馬昭のうさぎ耳は確かにおもしろいかもしれない。 でも、諸葛誕のうさぎ耳だって、端から見れば相当アレな部類であるということを。 そして、鍾会がこれからどこに行こうとしているのかに気づけば良かったのかもしれない。 諸葛誕はとりあえず尻尾は無理なので、耳だけ付けるといそいそと大将軍府に乗り込んだ。 「よお、何やってるんだって?」 いきなり扉を開けて入ってきたウサギ耳付きのオッサン・・・もとい、壮年の素敵な美中年・・・といってもやはりそこはうさぎ耳。 司馬昭は唖然とした。こちらはまだ耳を付けないで粘ってるところだった。 「公休!! すばらしいぞ!!」 司馬師・・・顔色一つ変えずにおそらく超酔っている・・・が、喜ぶ。超喜ぶ。 「さあ、酌をしろ!」 「もちろんだ!」 あわあわわわわ・・・と、司馬昭は言いたかっただろう。 「どうせなら子元も付けろ!」 「そうだな!・・・でもなあ・・・」 司馬師はふふんと笑っていった。 「うさぎに酌させるから楽しいんであってな、私がうさぎになりたい訳じゃないんだよ」 「おお、そうか。・・・なら子上! お前もさっさとやるんだ。それとも何か、兄貴の言うことが聞けないというのか?」 司馬昭は、もう何を言っていいのか解らなかった。 ・・・公休殿はしらふだよな?・・・いや、それとも究極に酔ってる?! やばいぞこの状況・・・ストッパーがいない・・・ 「よし解った。こうしよう、・・・・公休、押さえてくれ」 「解った!」 嫌がる司馬昭を諸葛誕が押さえ込む。 流石に力では歴戦の武人には負ける司馬昭。それでも大暴れする。 「ほら、昭。大人しくしろ・・・さあ、あきらめてこのウサギ耳を・・・・」 その時だった。 「・・・なにやっているんですか、あなたがたは・・・」 司馬師の宴会場?にいきなりやってきたのは・・・ 「あ・・・稚叔・・・・」 「・・・なんでここへ・・・」 鍾毓は、ものすごく怒っている。背後には兵士20人くらいを連れている。 「子元殿・・・あなた、一体何を?・・・ていうか、公休殿も! あなたたち、頭おかしくなったんじゃないですか?!」 誰がどう見ても、嫌がる司馬昭に何かをしようとしている司馬師と諸葛誕に見える。 鍾毓と一緒にここに乗り込んだ兵士が「うへえ・・・」と呟く。「なんだ、鍾士季がやられてんじゃないのか」とかそんな囁きは鍾毓の一睨みで消えたが。 「・・・・・・・」 「そもそもここを何処だと?!」 そこは大将軍府の中である。こんなことしていていいわけない。 「なんでお前が・・・」 「匿名で廷尉に通報があったんですよ!なにやらいかがわしいと!!」 通報もいい加減だが、鍾毓は怒り狂っていてそれどころではない。 「いかがわしいとかではなく・・・はっきりいいます。大男三人で気持ち悪いです!」 「気持ち悪いだとう?! 俺はただ呼び出されただけだ!!」 司馬昭がくってかかろうとするが。 「これならまだ士季の方がましだったな・・・君たちは一晩、檻に入って貰います! そのままで!! 反省せよ!!」 そして、背後を振り返り「連れていけ!」と言う。 流石に兵士達は、「大将軍だよな、あれ・・・」と一瞬尻込みしたが。 「今日の事は私が責任を持つ! やれっていったらやりなさい!!」 流石、誰にも物怖じしない廷尉は怖い。そしてこれが賈充だったら誰も信じないであろう言葉。だが、そこは鍾毓。あっという間に兵士達はこの大男三人を押さえ、縄で縛った。 「逆らったら国中のさらし者にしますからね・・・」 廷尉は裁判を仕切るんだろう?これは違う・・・と言いたかったが、鍾毓は何故か本気で怒っているようで、誰も何も言えない。 「おい子元、まさか俺たちは子上にあんなことやこんなことしようとしてたように見えたのではないだろうな?」 「まさか! 公休、気味の悪いこと言うな!」 「だよな!」 と、いう二人。だが、無理矢理うさぎ耳を付けられた司馬昭はブチキレ寸前だった。 「このウサギ耳はとっても・・・」 「罰です。私がいいというまでしてなさい!・・・まったく士季にも変な格好させて・・・」 ぶつぶつと鍾毓は言う。 ここらで、どうやら司馬昭に対する普段の鬱憤というか、「可愛いうちの士季に手を出した不埒者」と常々思っていてもそこは友達だし、と怒りをぶつけられないでいた鬱屈した何かが出てきたのだろう・・・か。 ウサギ耳を付けろと言ったのは司馬師なのに・・・と司馬昭はぶつぶつ反論するが、日頃が日頃なだけに大声での反論は出来なかった。もしやったらどんな目に遭わされるのかも解らない。普段怒らない人間の怒りは怖い。 翌日、牢獄を覗きに来る鍾会。 「・・・子元様、すごく情け無いです・・・でも子上様と公休殿は笑えますね」 鍾会は、司馬師の檻・・・もとい、牢屋だけ開けた。 「ちょ・・・士季!俺たちは!!」 「はあ? 私は子元様だけ出せって言われてますから・・・逆らうと怖いし」 「だいたい、そもそもウサギ耳なんて発想はなー!!」 諸葛誕が言いかけると、司馬昭も。 「そうだ! ウサギ耳だったら姪たちにでもやらせたほうがいいに決まってるだろう!なあ、公休殿!」 「そうだそうだ!・・・って・・・おい!!」 ついつい本音が出た司馬昭は、大事な事を忘れた。 姪・・・司馬師の娘も姪、そして、諸葛誕の娘が司馬昭の弟と結婚して出来た娘も、姪。 「てめえ・・・だまってれば俺の孫にそんないかがわしい事を妄想してやがったのか!!」←注:多分当時3才程度 「・・・昭・・・私の娘がどうしたと・・・?」 双方から睨まれる司馬昭。 鍾会はあーあ、やっちゃった、という顔をして顔を覗き込んでいる。 「子上様・・・知ってます? パパやじいさんにとって、娘とか孫娘って、地雷なんですよ・・・」 ご自分にも 「さてと。あなたがたが一晩トラ箱?入りって事は、もうそれぞれ奥方には連絡済みですから」 「なっ!!!」 「私が怒鳴り込まれますからね、とくに子上様の家からは。・・・ってことで身の潔白を証明しただけですよ」 にっこり・・・鍾会は笑う。 「さ、子元様、行きましょう」 「だな」 司馬師は、司馬昭を振り返りぽつりという。 「大人しく言うこと聞いていればこんな騒ぎにはならなかったな・・・」 憐れなものを見るような目で見て、そして出て行く。 「ちょ・・・兄上!!!」 「子元!!!」 二人の叫びを背後に、司馬師は出て行った。平然と。 「子元様、公休殿はその・・・」 「なんだ?」 「私の代わりに飛び入り参加なので、そろそろ許してやっては」 「ああ、そうだな。でも昭は当分出すな」 司馬師は凍り付くような無表情で、鍾会に言った。 「なんで?」 実は、ウサギ耳付き鍾会に対して「きもちわ・・・」と言いかけたことを根に持っていたのだ。 自分の楽しみを否定されたようでむかついたのだ。 「お仕置きだ」 「わかりました」 鍾会は頭を下げた。司馬師はすたすた歩いていく。 とりあえず、諸葛誕だけは解放しておこう、あとで怖いし、散々世話になった事もあったような気もするし・・・と、世話になったことは恩知らずにも「気のせい」みたいになっているが、とりあえず鍾会はもう一度「うさぎの檻」に向かった。 そして。 「ねえねえ、士季、聞いたよ」 「何をですかっ?!」 曹髦に聞かれて、鍾会は全身の毛が逆立つ。 まさか、ウサギ耳での酌について・・・ 「ウサギの耳と尻尾・・・大将軍がくれたんだ」 「・・・・・・」 「ふっふっふっふ・・・・・」 不気味に笑う曹髦。 鍾会は少し泣きたかった。 ・・・やめてください陛下。子元様がやるには「おっさんのいかがわしい妄想」で笑い事なんです。でもまだ若いあなたがやると、それは本気で相当やばいです!! と言おうとしたら。 「何かの罰ゲームの時に、昭にやらせよっと♪」 どうやら標的は自分ではなかったらしい。 ほっとすると、曹髦と目があう。すると、曹髦は待ってましたとばかりに笑顔で。 「・・・士季、君は罰ゲームに限らずやるんだよ」 思った以上に曹髦はやばかった。 一瞬にして真っ青になり、涙目で叫ぶ。 「陛下!! おやめください!! その年齢でそんなことしたらもう取り返しつきません!!!」 そう言って土下座する鍾会に、曹髦は大笑いした。 「嘘に決まってるじゃん! あははは・・・大将軍の言ったとおりだったな!」 「え?」 「こういえば鍾会は本気で土下座するからおもしろいですよ!って・・・あははは! 本当にした!!おっかしい・・・!!」 ・・・とりあえず。 鍾会はむっとしながらもほっとした。 曹髦が変なオッサンにならずにすんだことを。 余談だが、これが一家大波乱を起こした家もある。 「・・・殿。話は聞いております」 司馬昭が家に帰ると、身支度を調えた王元姫がいた。 「士季殿にウサギ耳をつけさせて襲おうとしたとか。それで捕まるとかって・・・今までは我慢しましたけどそれは・・・ちょっと・・・というか、そういうプレイならともかく、無理強いは犯罪ですわね・・・」 「父上、とうとうそこまでいっちゃったんですね」 「まあ、怖いわ〜」 「最低・・・・」 上から順に、王元姫、安世、娘1,2である。 しかも、完全に情報が捏造である。 「ちょっと待て!! 全然違う話だぞ!!」 「なにがどう違うんですか?」 「ウサギ耳を付けられそうになったのも襲われそうになったのも俺だー!!!」 司馬昭の言い分は、確かに正解である。だが。 王元姫はふっと笑った。馬鹿にしたように。 「どこの誰があなたにウサギ耳を付けて喜ぶんですか?・・・はあ、言い訳にしてももう少し、ね・・・」 それではさようなら、と出て行く。 「お母様待って〜!わたくしたちも行きます〜 こんな変態父上とは一緒にいられません〜」 娘二人・・・しかも王元姫が生んだ訳じゃない娘二人が、彼女についていこうとする。 司馬炎は涙ながらに母親にその異母妹たちを託している。 「母上、私は長男ですからついていくわけにはいきません。でも、この妹たちと攸はお願いします。他の妻子もどうにかします」 「解っているわ。さ、行きましょう。安世。達者でね・・・私にいつでも会いに来てね・・・」 「母上も・・・」 「ま・・・待て!! 待つんだ!! てか待ってください!!!」 司馬昭は慌てて大通りを追いかける。 司馬師はご機嫌だった。 あの一件以来、決して逆らわない司馬昭に。もっとも、今までもたいして逆らったことはないのだけれど。 自分に対してびくびくしているのは見ていて気分がいい。ああ、スッキリ。 「今度は着ぐるみだ・・・」 くすくす笑いながら大将軍府で仕事をしていることなど、誰も知らなかった。 その着ぐるみを誰が着ることになるのか、それはまた別のお話です。 終わり(2010.01.28) あとがき+補足は本日の日記へどうぞ。もう言い訳しても取り返しつかない・・・ |
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